◇丸くなる、ということ◇

昨日、子どもが、使っている消しゴムと、新しい消しゴムを並べて遊んでいる時のこと。

「うわぁ〜、こっちは丸くなってるぅ〜!」

と、目をキラキラさせながら、使った消しゴムの角が丸くなっていることに気づいていました。

ただ、それだけのことなのに、

なんだか心に残りました。

消しゴムの角が丸くなっている。

それは、使った証。

何度も書いて、消して、また書いて。

その繰り返しの中で、少しずつ形が変わっていったもの。

そう思うと、その丸みは、ただ減ったわけではなくて、

ちゃんと積み重なってきた時間のかたちのようにも見えました。

そういえば私も、鉛筆が短くなったり、消しゴムが小さくなったりするのが、どこか嬉しかった記憶があります。

たくさん使った、という実感。

やった分だけ、ちゃんと変化が見えること。

大人になると、〝減る〟ということを、どこかもったいないこと、残念なことのように感じてしまうことがあります。

けれど子どもは、違うのかもしれません。

減っていくことの中に、ちゃんと増えているものがあると、知っている。

消しゴムの角が丸くなることも、

鉛筆が短くなることも、

その子なりに過ごしてきた時間の証。

目には見えないけれど、確かに積み重なっているものがある。

そう思うと、その小さな変化が、少し愛おしく見えてきます。

そしてもしかしたら、

私たちがつい気にしてしまう

「まだできていないこと」よりも、

こうして静かに積み重なっているものの方が、ずっと大切なのかもしれませんね。